「pks」の日本語での解説記事が、ウェブで見当たらなかったので、英文サイトをもとに、自分で調べて書いてみたという記事です。
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こんにちは、管理人の七見です。
はてなブログで記事を書いていたら、
以前、一度だけ画面が凍りました(2022年の12月末)。
あれっと思って、「Command+R」で更新(Reload)してみたら、「pks required」 という一文だけが表示された白いページになり、その後、ログイン画面まで戻りました。
「pksって何なんだろう?』と検索かけたんですが、
「パームヤシ殻(Palm Kernel Shell)」やバイオマスが
大量にヒット(たしかに電力心配だけど・・・)。
それらを含めない形で検索したところ、英文サイトがいくつかヒットし、「pks API」という文言を発見しました。
APIは「application programming interface」の略だから、ウェブ関連のpksだと思い、改めて「pks API」で検索してみると、
「Getting Started with Pivotal Kubernetes Service (PKS)」
https://medium.com/rafay-systems/getting-started-with-pivotal-kubernetes-service-pks-985119bd6697
というページがヒット。
「PKS」は「Pivotal Kubernetes Service」の略称であり、「Pivotal Container Service」とも言うのだと、ひとまず分かりました。
「Pivotal」はバスケットの「ピボット」と同じ由来の言葉なので、回転軸だったり、中心の、重要な、という意味合いだと、何となく分かります。
Kubernetes がさっぱり分からないので
調べてみると、以下のページがヒット。
Kubernetesとは何か?
https://kubernetes.io/ja/docs/concepts/overview/what-is-kubernetes/
引用
Kubernetesの名称は、ギリシャ語に由来し、操舵手やパイロットを意味しています。Googleは2014年にKubernetesプロジェクトをオープンソース化しました。
どうもGoogleさんのプロジェクトだったようで、
「κυβερνήτης」(舵取りsteersman) は、「サイバネティクス」や「cyber (サイバー) 」の元ネタになった言葉であることが分かりました。
ギリシャ文字の「 κ(カッパ) はローマ字の「 c 」に相当し、
ギリシャ文字の「 υ(ユプシロン)」はローマ字の「 y 」に相当、
ギリシャ文字の「 β(ベータ)」 はローマ字の「 b 」に相当、
ギリシャ文字の「 ε(イプシロン 」 はローマ字の「 e 」に相当、
ギリシャ文字の「 ρ(ロー)」 はローマ字の「 r 」に相当します。
cyber- | Etymology, origin and meaning of cyber- by etymonline
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せっかくなので、サイバーについて掘り下げてみたいと思います。(お急ぎの方はジャンプしてください)
サイバー Cyberは語源が、「政府 Goverment」の「ガヴァーンgovern」と同じで、「支配する」という意味があります。(κυβερからk→g、b→v 等の変化があったようです。豆知識:「C」をもとに「G」という文字は誕生しています)。
・govern | Etymology, origin and meaning of govern by etymonline
日本政府も「NISC(National center of Incident readiness and Strategy for Cybersecurity)」を作ってサイバーに力を入れています。参考:NISCの概要 - NISC
現代の戦争は「サイバー空間上」での戦争でもあるので、国防のため頑張ってほしいです(さもないと、新幹線のブレーキシステムをハッキングする等して相手の国に大事故を起こすこともできてしまうそうです)。
「サイバネティクス」は数学者のノーバート・ウィーナーNorbert Wiener (1894-1964)が1948年に発案した言葉だそうですが、ウィーナーの本によると「the entire field of control and communication theory(制御と通信理論のフィールド全体) 」のことを「サイバネティクス」と呼ぶことに決めたんだそうです(統計力学も関係しているとのこと)。
・cybernetics | Etymology, origin and meaning of cybernetics by etymonline
↓ こちらは本(1948年)です。
Internt Archiveさんのサイトからダウンロードできます。
URL:https://archive.org/details/norbert-wiener-cybernetics/mode/1up
PDF:https://ia804505.us.archive.org/29/items/norbert-wiener-cybernetics/Norbert_Wiener_Cybernetics.pdf (8.4 MB。(200頁超))
この本の(めちゃ長いイントロダクションの11頁)に「cybernetics」という単語が登場します。(印字がカッパκじゃなくてカイχに見えるのがちょっと気になる。)(11頁末 [governor]〜[κυβερνήτης])。
長いので、管理人も全部は読みきれていませんが、電磁気学で有名なマックスウェルの論文「on Governors」が関係していたのが興味深かったです。
・On Governors : Maxwell, J. Clerk : Free Download, Borrow, and Streaming : Internet Archive
[PDF] https://ia903207.us.archive.org/10/items/jstor-112510/112510.pdf
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ここらで話を PKS の Kubernetes に戻したいと思います。
「Kubernetesとは何か?」
https://kubernetes.io/ja/docs/concepts/overview/what-is-kubernetes/
によると、過去を振り返って次の三段階があるのだと。
(管理人の理解に基づいた説明です。間違ってたらごめんなさい。)
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その壱 Traditional Deployment
( 複数のアプリを実行させた時、1つのアプリがリソースの大半をバカぐいすると、他のアプリが割をくってしまう問題が発生する。解決するには物理サーバーが複数必要だった。)
その弐 Virtualized Deployment
(物理サーバーを複数用意するのがめんどくさいので、1台の物理サーバーで済ます方法を考える。1台の物理サーバーのCPU上に、複数の仮想マシン「virtual machine」を導入。アプリを仮想マシンごとに「隔離」。1つのアプリのせいで、他のアプリが割をくう事態を回避。)
その参 Container Deployment
(「contain」は「含む」。仮想マシンは一つ一つのアプリを分離したが、分離させすぎると逆に不便。アプリ間でOSを共有できるようにした、「緩い分離」がコンテナというらしく、軽量らしい。アプリを集約して実行するいい方法なのだとか。)
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1つのコンテナがダウンしてしまったとき、他のコンテナを起動させる必要があるそうですが、こうした管理をしてくれるのがKubernetesなんだそうです。
ということは、「pks required」って、
「Pivotal Kubernetes Service required」だから、
たぶん、はてなブログさんのコンテナがどこかダウンして、Kubernetesに助けを求めてた、ってことなんじゃないかと思います。
「pks」の日本語での解説記事が、ウェブで見当たらなかったので、自分で調べて書いてみました。もし誤りなどありましたら、分かり次第訂正したく思います。
管理人と同じく、突然の「pks required」にはてな?となった方の参考になれば幸いです。
Thank you for coming.
ありがとうございました。 七見
2022年12月29日 執筆着手
公開日:2023/1/13
最終更新日:2023/1/18
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